勤労感謝の日

戯言

祝日の意味と由来とウンチクと <11月(勤労感謝の日)>



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前回の記事。↓

一年のうちで一番最後の祝日に当たるのが「勤労感謝の日」です。
2019年の4月までは上皇陛下(125代・昭仁天皇)が即位されていて、お誕生日が12月23日でしたので、2018年の12月23日が一年の最後の祝日でしたが、退位された後は現在の天皇のお誕生日が2月11日(「祝日の意味と由来とウンチクと <2月(天皇誕生日)>」)が天皇誕生日で祝日となり、2020年現在の一年の最後の祝日は「勤労感謝の日」となりました。

個人的に「勤労感謝の日」にはちょっと愛着がありまして…
というのも、実はこの日が私の誕生日なんです。
この祝日がどういう日かなんて以前は詳しく調べたこともなかったんですが、実はとても重要な日でした。

まぁ、たまたまこの日に生まれただけですが、ちょっとだけ誇らしく感じていたりもします。

勤労感謝の日 (11月23日)

意義:勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。
同義語:新嘗祭(にいなめさい/しんじょうさい)

勤労感謝の日」の原型は戦前の「新嘗祭(にいなめさい/しんじょうさい)」という宮中祭祀です。
一般的な読みは「にいなめさい」です。

新嘗祭」が制定されたのは1873年(明治6年)。
漢字を見てわかる通り「新嘗祭」は”祭り”なので、元は祝日ではなく祭日(さいじつ)でした。(私が子供の頃は祝日を「祭日」と呼んでいた日があったと思います。親の習慣の影響だと思います)

新嘗祭」は宮中祭祀では大祭(たいさい)で、一年で最も重要な祭日でした。

新嘗祭」とは具体的にどんなことをするのか?
簡単にいうと、その年に収穫された新穀(主にお米など)を天神地祇(てんじんちぎ。天と地の神、八百万の神)にお供えして感謝を述べる儀式です。

実はこの”五穀豊穣に感謝し祝う儀式”は、古くは初代天皇神武天皇(←好き)の代から既に執り行われていました。(日本書紀で記されています)
また、その儀式を”新嘗”と呼ぶようになったのは第16代天皇仁徳天皇の時代です。

五穀豊穣に感謝し祝う儀式”の起源は弥生時代!という説もありますが、いずれにしても、古の時代から大地や海の恵みに感謝をするという意識が私達のルーツにあるようです。

1873年(明治5年)までは旧暦の11月13日〜24日の間の”二の卯の日(卯の日が2回、または3回ある中の2回目の卯の日のこと)”にこの祭祀が行われていましたが、旧暦から新暦に改暦をした1874年(明治6年)に新暦での11月23日(この年はこの日が二の卯の日だった)に行われ、以降毎年11月23日に行うことが定着しました。

1947年(昭和22年)までは11月23日の祭日を「新嘗祭」を呼んでいましたが、この祝日シリーズをお読みいただいてる方はピンときてるかもしれませんが、戦後のGHQの介入のアレコレで新たに日本国憲法が制定され、国家神道の色彩を払拭するという方針のもとに、例の如くこの祭日も「ちょっと名前変えない?」という運びになり、翌年の1948年(昭和23年)から「勤労感謝の日」に改められました。

新嘗祭」の名称に似ても似つかない「勤労感謝の日」に改名された由来は?

衆参議員の間で、一年の収穫に感謝をする日として「新穀祭」や「生産感謝の日」はどうかという提案がある中、「感謝の日」が良いのでは?と一度はなったものの、「ちょっと何に感謝してるのか分かりずらいよね」ということで、「勤労感謝の日」と「労働感謝の日」の一騎打ちになり、「勤労感謝の日」推しの票が多かったため、この名称で決定となりました。

うーん。
改名の流れを知らないと「新嘗祭」と「勤労感謝の日」の関連がわかりにくいですよね…

勤労感謝の日の過ごし方

勤労感謝の日の風習や過ごし方を調べてみました。

新嘗祭

大嘗祭

上記したように、11月23日は「新嘗祭」という祭日でした。
「瑞穂の国」の祭祀を司る最高責任者である天皇が、国民を代表して農作物の恵みに感謝する重要な儀式です。
戦後に名称は改められますが、宮中祭祀では今も変わらず”新嘗祭”が執り行われており、全国の神社でも同様に行われています。

新嘗祭”では具体的にどんなことが行われてるのでしょうか?

漢字の意味からいくと、「新」は新穀、「嘗」は目上の人などにお召し上がりいただくことを意味します。

天皇は儀式の中で、その年に天皇自らお育てになり、収穫なさった新穀を神様にお供えして、五穀豊穣に感謝をし、国家安寧や国民の幸せと繁栄をお祈りします。
この際に、天皇も神様と一緒に新穀を召し上がります。
そう、まさに神人共食(しんじんきょうしょく)です。
神人共食とは、お節料理の記事で触れましたが、同じものをいただいて神様と人とが一体となることが根本的意義とされています。

また、皇位継承で新しい天皇が即位された後の初めての”新嘗祭”は、即位の時期が7月までならばその年に、8月以降では翌年に行うと定められていて、名称が”大嘗祭(だいじょうさい/おおにえまつり/おおなめまつり)”に代わります。
今上天皇が”大嘗祭”を執り行ったのは記憶に新しいですね。
この時の日程は23日ではなく14日〜15日でした。
もしかして?と思って調べてみたら、案の定、14日は乙卯(きのとう)で、”二の卯の日”でした。
夕方の6時から始まり、日付をまたいで翌朝3時までという長時間に及ぶ儀式でした。

神前にお供えする稲を育てる田んぼを「斎田」(さいでん。神様にお供えをする為の田んぼ。神社で管理をしている)と言いますが、”大嘗祭”ではまず全国からこの斎田の選定をします。
選定の仕方は亀卜(きぼく。亀占)を用いますが、亀卜とは亀の甲羅に熱を加え、それによってできたヒビの形状で占うものです。

大嘗祭”では同じ所作を2度繰り返し行われるので、二つの地域を選びます。
令和の”大嘗祭”では栃木県と京都府の稲でした。(選ばれた米農家さんは名誉ですよね〜!)

稲の他に全国各地から様々な御食(みけ。お供えする食べ物)が納められますが、膨大な数で書いてられないので端折ります(笑)
品数で言うと、7〜10品!掛けることの47(都道府県)なので最小で見積もっても329品、MAXで470品…かなりの品数です。
平成までは「神事に使ったものは埋めて自然に戻す」ということで全て土に埋めていたそうですが、令和の”大嘗祭”では食品ロスも問題視されていることから医療施設などに提供されたそうです。(神様の”御下がり”ってことになりますね)

大嘗祭”に限り、大嘗宮という御社(おやしろ)が造営されます。
大嘗宮は平成までは斉行されたあとは破却されたり奉焼されたりしていましたが、これもまた資材がもったいないということで、”大嘗祭”終了後に解体された木材などは別の形で再利用されました。

新嘗祭”も”大嘗祭”も御食にまつわる儀式の内容以外は非公開とされています。
とても気になるんですが、核心部分は天皇とその儀式に直接関わるごくごく一部の方以外、誰も知る由がありません。(気になる〜!)

令和の”大嘗祭”では、御社の中までは見ることができませんが、屋根付きの廊下を天皇とお付きの神職の方々が行き来してる様子がテレビやネットで流されていました。
闇夜を照らす灯籠や松明の灯りが相まって、神秘的な雰囲気が漂っていたのをよく覚えています。

”厳かな収穫祭”ともいえるような「勤労感謝の日」ですが、一般では勤労を尊(たっと)ぶ日という意味合いが強く、農業以外に生産業などに感謝をする他、国民同士が感謝し合う日という認識が強いようです。

日本の歴史は一体どこから始まっているのかを紐解くと、「古事記」に辿り着きます。
内容が本当かそうでないかはさておき、日本で最古の歴史書として扱わている書物です。
その中では、天照大御神の孫に当たる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)天照大御神から「瑞穂の国の民の為に」と授かった稲穂を持って宮崎県の高千穂に降り立ったということが書かれています。

お米というのは日本人の食のルーツであり、日々の食事には欠かせないものです。(パン食の人もいるかもですが)
日本の食の伝統と言ってもいいかもしれません。

ご飯を食べる時の「いただきます」、食べた後の「ごちそうさまでした」、この言葉は料理を作ってくれた人、食材を生産してくれた人へ対してはもちろんですが、恵みを与えてくれた天神地祇へ対しての感謝の言葉でもあると思います。
元々は全て”生きて”いたもので、そのたくさんの命をいただいて私達自身も命を繋いでいます。
この豊潤な大地と水に恵まれた国だからこそ、毎年国民が食に困ることのないほどの恵みもいただくことができています。

新嘗祭”は、天皇が全国民の代わりに代表として神様に感謝の祈りを捧げてくださる日です。
一年の最後の祝日は、改めて天や大地の恵みに感謝し、命をいただいて生かされてることに思いを馳せて食事をいただく、なんて感じで過ごしてみるのも良いのではないでしょうか。

基、普段から感謝を持って過ごせたらより良いですね(^-^)



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