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90. 橿原神宮(かしはらじんぐう) 〜奈良県橿原市〜



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奈良3日目。

石上神宮の次に訪れたのは、こちらもまた念願の橿原神宮

駅からはわりと近く、近鉄橿原線および近鉄南大阪線の橿原神宮前駅から徒歩で10分もかからずに着きました。

(御朱印はこちら↓)

この辺り一面を覆い尽くす木々のせいか、既にとても威厳を湛える風景。
見切れてしまっていますが、上の写真の右の方には奈良県立橿原公苑があり、その敷地内に球場や競技場があります。
写真左側に鳥居が見えますが、これが橿原神宮一の鳥居
この先が表参道になります。

案内板がありました。
ややや…
これまた結構広そうだぞ…

橿原神宮の背後には、平成17年に香具山耳成山とともに名勝指定された大和三山(やまとさんざん)の一つである畝傍山があります。
つまり、橿原神宮がある位置は畝傍山の麓。(畝傍山もちゃんと後で登りますよ!)

神社は、”鳥居をくぐった先は神域”とかって言いますが、この畝傍山の森が世間とは隔たれた世界を形成していて、まさしく神域と言えるような雰囲気を醸し出していました。

この森は、「森林遊苑」となっていて、散策することができます。

荘厳で、緑が濃く、静寂。

ここに、初代天皇である神武天皇が静かにお祀りされています。

『橿原神宮(かしはらじんぐう)』

所在地  奈良県橿原市久米町934
御祭神  神武天皇(じんむてんのう)
     媛蹈韛五十鈴媛命(ひめたたらいすずひめのみこと)
社格   旧官幣大社
例祭日  2月11日
鳥居   明神鳥居
社殿様式 入母屋造

【由緒】
神武天皇は天孫降臨の地日向を発して大和に入られ国内を統一して畝傍山の東南橿原の地に皇居を営み即位の礼をとりおこない日本建国の基礎を築かれた
明治の時代になり神武天皇の御聖徳を景仰してこの橿原の宮跡に橿原神宮創建の請願が民間有志から起こり明治天皇にはこれを御嘉納になり明治二十三年四月二日御鎮座になった

神武天皇天照大御神の5代目の子孫で、天孫降臨で高千穂に降り立った神の瓊瓊杵尊の玄孫にあたります。
本名は神日本磐余彦尊(かんやまといわれびこのみこと)
神武」は諡号(しごう)です。

神武天皇と共にお祀りされている媛蹈韛五十鈴媛命は、神武天皇の2番目の奥さんです。
というのも、神武天皇は東征の前、日向(現在の宮崎県あたり)で吾平津媛命(あひらつひめのみこと)という奥さんと過ごしていたのです。
が、東征の後、初代天皇として即位する際に、新たに媛蹈韛五十鈴媛命を妃として迎えることになりました。

吾平津媛命の気持ちを考えると複雑…(笑)

で、ちょっと紐解いてみます。

この吾平津媛命の父親は火須勢理命(ほすせりのみこと)
火須勢理命の両親は天照大御神の孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)と、父親が山の神である大山祇命(おおやまつみのかみ)の子・木花開耶媛命(このはなさくやひめのみこと)

よって、天津神のクオーターではありますが、吾平津媛命は天津神寄りの血筋。
なのに、なぜ神武天皇吾平津媛命を日向に置きっぱなしにして新たな嫁をゲットしたのか…?

一の鳥居

媛蹈韛五十鈴媛命の両親は、父が大神神社の御祭神である大物主命、母が玉櫛媛命(たまくしひめのみこと)
玉櫛媛命の父は三嶋溝抗命(みしまみぞくいのみこと)。
三嶋溝抗命はマイナーで詳しい記述が見当たりませんでしたが、記紀に神または人物として書かれています。

媛蹈韛五十鈴媛命の母親玉櫛媛命は、ヤマト地方の有力者の娘という伝承があります。

父が国津神の大物主命、母も国津神または元からこの地で幅を利かせてた(笑)一族、つまり媛蹈韛五十鈴媛命は国津神の純血。…

神武東征の最後の戦いの相手は、この大和の指導者・長髄彦(ながすねひこ)。
ということは、媛蹈韛五十鈴媛命玉櫛媛命はもしかしたら長髄彦の娘?
長髄彦三嶋溝抗命はもしかしたら同一人物?または親族か?…

ここでふと思うのが、瓊瓊杵尊の玄孫の神武天皇瓊瓊杵尊と同様に、新たな地で天津神と国津神の”血を混ぜる”ということをしたのではないか?ということ。
別の一族と戦って、負けた一族をひとり残らず全滅させるのではなく、”身内になる”という趣旨が神武東征にはあったのかもしれませんね。

そう、神武東征とは、瓊瓊杵尊が降り立った日向(高千穂)から大和まで、神武系統に塗り替えていくことが目的ですから、相手の一族を全滅させずとも、抱き込められれば(表現が悪い笑)良いワケです。

外国の古い歴史では負けた一族を壊滅にまで追いやることが多いかと思いますが、日本ではそうではなく、相手の一族を取り込む、身内にするという方法を取るのがヨシとされていたのかも。
戦国時代もそういうことはありましたよね。娘を娶って(もしくは差し出して)親族になる、という和解の仕方が。

これは無駄な殺生をしない、という日本独自の価値観とも受け取れそう。(私が知らないだけで実はめちゃくちゃ全滅させてるとかあったらスミマセン)

表参道

『古事記』と『日本書紀』、併せて通称『記紀』と呼ばれるこの2冊は、”神話”の部分も含め、そのままストレートに受け取って楽しむのも一興ですが、こんな風にその物語の裏にある部分(創作ならば、なぜそのストーリーにしたのか)をちょっと紐解き(殆ど妄想)をするとなかなか面白いです。

結果、あまり紐解けてないですが、そんなことを考えながら森に包まれた表参道をひた歩き。

神橋

まるで人祓いが行われたかのように人が全然いなくて、贅沢な貸切気分。

神橋の下にはちゃんと川が流れているんですが(川幅は狭い)、覗き見てくるのを忘れました(汗)
生き物とか棲んでいるのかなぁ?

神橋から表参道を振り返った眺め

本当に独り占め。
平日だったからかも。

橿原神宮庁(社務所)

社務所の奥の方には貴賓館や文華殿などがあって、こちらも見どころたくさん♪(時間の関係で行ってませんが)

本殿の前に長山稲荷神社へ寄りましたが、それは次の記事でご紹介します。

南手水舎から参道を振り返った眺め

参道は結構長いです。
でも妄想しながら歩いてたらすぐでした!(笑)

南手水舎

手水舎で手と口を清めて…

この南神門の先に神武天皇を祀る御本殿が。
やっと来たったぞ〜!

南神門

この神門の造りに既視感。
どこかで見たような…

お!やっと私以外の参拝者を発見!

瑞垣の中もまた広いですねぇ〜!
相変わらず荘厳な雰囲気があります。

下の写真は、右手前から挙式用の美容室、その奥の建物が休憩所で、更にその奥がお食事処。

お食事処ではうどんやぜんざいがいただけて、お酒も置いているようです。
(何か食べればよかったなぁ…)

向かいには御朱印受付所、参集殿、神楽殿があります。

別角度から。
焦茶色の建物が神楽殿です。

下の小さな小屋みたいなのは古札納所。

その古札納所の向かいに外拝殿。

大きな絵馬には丑が描かれています。(訪れたのは去年、令和3年)

外拝殿

やっぱりこの造り、なんか既視感があるなぁ〜と思ったら、京都の平安神宮だ!

平安神宮 大極殿

ほら、造りが大極殿そっくり!

橿原神宮の神門も応天門の一階部分とそっくり。

平安神宮
平安神宮 応天門

これは何か共通するものがある?と思い、創建時代を調べると橿原神宮は明治23年、その後に平安神宮が明治28年に創建されており、当時の流行りの造りなんかな〜と思いましたが、でも平安神宮の大極殿は第50代・桓武天皇の頃に平安京大内裏の正庁である朝堂院を5/8スケールで復元したものなんですよね。

てことは、橿原神宮の造りは平安京朝堂院にインスパイアされたものなのか?

…でも平安神宮の方が柱が多いし、入母屋造なんて昔からあるからたまたまか…と、自己解決(笑)

とはいえ、入母屋造自体の歴史は意外と古くて、弥生時代の集落遺跡で復元されていたりもすると共に、日本では古来から格式の高い形式として重んじられてきたそう。

平安京を造った際にその格式の高い入母屋造を取り入れ、橿原神宮初代天皇をお祀りするに相応しく格式の高い建築様式としてこの造りにした、というだけかもですね。シンプルに。

基、神武天皇が東征し大和を治め、お住まいになった皇居はどんな造りだったのか気になるところ。

序盤でチラッと書いた奈良県立橿原公苑のあたりは橿原遺跡として多くの出土品があった場所で、弥生時代にはこの地域を中心に一つの勢力があったことがわかっており、『記紀』にある記述とそれほど相違がないようです。(でも諸説あり)

戦後のGHQによる神道指令プレスコードにより皇国史観を忌避する風潮が生じ、このテの研究は下火になってしまったそう。

今からでも研究して欲しいなぁ…

外拝殿から中庭を挟んで向こうに見えるのが内拝殿。
曇りだったので全体的にちょっと写真が暗いですが、ご容赦を。

内拝殿

回廊と吊り灯籠がまた美しかったですよ。

回廊(左)
回廊(右)

夜にはこの吊り灯籠全てに明かりが入るのかな?
その様子を見てみたいなぁ。きっととても美しいでしょうね(*´꒳`*)
初詣や例祭とかじゃないとお目にかかれないのかな〜?

外拝殿から振り返った眺め

余談ですが、個人的にこういう上の写真の構図が好きで、当ブログではこの構図が数多く出てきます。
ちょっとしたフェチ。
なんていうか、フレームに収まった感じが好き。
あと一点透視図法とかで写真撮りがち。

外拝殿の中には詰所がありました。
中に人がいたので柱でうまいこと隠れさせて撮りました(笑)

あ、そうそう、本殿は重要文化財となっています。
京都御所賢所を下賜され、安政2年(1855年)にこの場所に移築されました。
貴重ですね。

↑言ったそばから一点透視図法(笑)

外拝殿の奥に見えるのが畝傍山です。
御朱印もいただいたし、これから登るぞ!

標高199.2mなのでそんなに勾配はなさそうだし、20〜30分で登頂できるって聞いた。
散歩レベルで楽勝だぜぃ!

美智子上皇后陛下が、平成28年にご参拝なさった時の御歌。

国歌「君が代」の歌詞にもある”さざれ石”は、細かい石が化学反応でくっついて大きな巌となったもの。
自然の現象って不思議で面白い。

足元に小さな花がたくさん咲いていました。

なんていう名前の花だろう?
小くて可憐で可愛い。

神籤掛けと絵馬掛け

外拝殿の右の土間殿は、能と狂言も演じられる舞台となっているようです。

土間殿

念願の橿原神宮、やっと参拝できて境内もゆっくり堪能できて満たされました(о´∀`о)

北神門から南神門の眺め

で、私としたことが、最後に北神門を撮るのを忘れてもうて!!
もうあの日に戻れないので致し方なし…

何はともあれ、北神門をくぐり橿原神宮を後にして畝傍山へ向かいます。

北参道もなかなか長いです。
道幅は少し狭くなりますが、表参道と同様に灯籠がたくさん立ち並んでいて、昼間でもなかなか見応えがありました。

うーん、やっぱり夜に灯籠に明かりが灯った様子を見てみたいですね。
絶対神秘的な景色になると思う!

北参道も森に囲まれていて、このような風景の中にいると心が洗われる感じがしますね。
それは視覚的なものなのか、木々などの緑や土の香りなど嗅覚的なものなのか、葉が風に擦れる音や鳥の囀りなど聴覚的なものなのか…
多分、全部だな(笑)

自然は昔も偉大で、それを先人は”神”としてきた。
確かに、それ以外に適切な呼び名は見当たらないかもしれませんね…
畏怖し、感謝する、日本人は太古の昔からそうして自然と共に生きてきたし、なんなら生かされてきた。

共存・共栄し、共生してきた。

菌やウイルスなど目に見えぬ小さな微生物、草木、虫、動物、これらは互いに影響しあって恒常性の中で絶妙なバランスを保ってここに在る。

「個にして全、全にして個」

私の好きな『風の谷のナウシカ』の原作(漫画)で、偉大な王蟲がナウシカに言うセリフ。
森の中にいると、そんなことをいつも実感します。

あ!まじめくさったことを書いてしまった!

この北参道から畝傍山登山口へと進みますが、その前に一つ記事を挟みます。
今回もお付き合いいただき有難うございました♪



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