神社・仏閣ランキング
ポチポチしていただけると喜びます
前回の記事。↓
私の時代の成人式は、地域によっては満年齢で20歳が基準のところもありましたが、数え年で20歳になる年に行っていました。
ですが、法改正で2022年(令和4年)4月1日より成人年齢が20歳から18歳に引き下げられることになりました。
みんな”大人”になるのが早くなったのね〜。
そもそも成人の定義ってなんでしょうか?大人って何?(迷子)
また成人式の由来は?
今回はハレの日である成人の日について調べてみました。
成人の日(せいじんのひ) 1月第2月曜日
同義語:元服・成人式・裳着(もぎ)・髪上・鉄漿(かね)
意義:大人になったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。
「成人の日」は1948年の祝日法の公布・施行によって定められた祝日です。戦後ですね。
で、1999年までは1月15日を「成人の日」として、殆どの地域で成人式が同日に行われていました。
日付が1月15日なのは「小正月(こしょうがつ)」が由来しています。
また、古来この日は「元服の儀」が行われていたそうです。
このように「成人の日」に関しては「小正月」と「元服の儀」、この二つが一緒になったものと考えて良さそうです。
「小正月」とは、新年最初に迎える満月の時期を言います。
その元になるのは太陰暦。
太陰暦というのは月の満ち欠けに基づいて作られた暦のことです。
通称、陰暦。(または現代でいう「月齢カレンダー」)
”太陰”とは太陽の”陽”に対する”陰”、月のことを指します。
因みに、月の満ち欠けで暦が進むと1年の周期にズレが生じますが、これに閏月を足した太陰太陽暦というのもあります。
現在の暦(カレンダー)は太陽暦(=新暦)、昔の人が使っていた暦は太陰暦(=旧暦)なので、歴史書とかで「旧暦」と書かれているものは太陰暦を使ってると思ってOKです。
暦の話はこのへんにして、そんな感じで本来満月になる日にはバラつきがありますが、いつからか小正月は「太陰暦の1月15日」と定着していったようです。
この日は各地で豊作を願い、厄を払うドンド焼きなどの行事も昔から行われていました。(「小正月」についてのその他の詳しいウンチクは長くなるので省きます)
それと同時に、元服の儀もこの日に行われていました。
元服の儀というと、私たちの感覚だと戦国時代に行われてるイメージが強いと思いますが、どうやら奈良時代からあった儀式のようです。
奈良時代においての儀式は、数え年で12歳〜16歳頃の間に行われ、身分や時代によって変わりますが男子は髪を結い、冠または烏帽子を授かったり、月代(さかやき。額の上の部分)を剃るなどします。また幼名を実名に改めるなどしていました。
女子の場合も年齢は同じく数え年で12歳〜16歳頃。
裳(も)という衣服を身に付ける儀式 (「裳着」)が結婚が決まったタイミングなどに行われていました。
鎌倉時代以降は、男子は15歳、女子は13歳で成人とみなされるようになりました。(中1で大人…)
また江戸時代の農村では成人とされる年齢は引き上げられ、数え年で18歳や19歳というのが一般的だったようです。
もう一つの成人の基準として一人前である事が重要だったようです。
……。
…一人前ってなんですかね?
辞書には、
・積極的な助力がなくてもするべきことをできるような、成熟した技量や人格を持つ人間。一丁前。
・年齢や肉体が大人あるいは大人と見なせるような人間。
と載っています。(Weblio国語辞典より)
「体も成熟して一人でなんでもできるし、自分で物事の判断ができまっせ」という域に達している状態でしょうか。
これって現代でいう”成人”のイメージとほぼ一致ですね。
実際にその時代の農村などでは、一日に◯kgの芝刈って◯kg売り歩けたら一人前、というような基準もあったようです。
つまり、「一人で生活できる人間に成長したら一人前(=成人)」ということですかね。
農村などで行われていた儀式の呼称は「元服」ではなく、成年式・成女式と呼ばれていたそうですが、これは明治以降は衰退していきました。
現在のように一斉に成人式をやるようになったきっかけを探ると、それは徴兵制度にありました。
実は明治時代の日本でも徴兵制度があり、20歳になったら兵役につく、という決まりがありました。(が、実際に徴兵されたのは5%ほど)
1945年(昭和20年)に終戦し、その後、徴兵制度はなくなりましたが、20歳という節目を祝うため、1946年(昭和21年)、現在の埼玉県蕨市で元服の儀が行われていた太陰暦の1月15日に因んで、太陽暦の1月15日に「青年祭」というのを催しました。
これが全国に広まり、1948年に制定された「国民の祝日に関する法律」により「成人の日」という祝日が生まれることになります。
そんなこんなありまして、現在の太陽暦でいう1月15日が「成人の日」とされ成人式をこの日にやってきましたが、1998年(平成10年)に祝日法の改正があり、「ハッピーマンデー制度」なるものが生まれたことで、以降は1月の第2月曜日が「成人の日」となりました。(1999年から適用)
「ハッピーマンデー制度」とは、土〜月と休日を3連休にするために、一部の祝日を月曜日に移行する制度です。
個人的にはこの制度要らんな〜って思います。
土曜日も仕事なので3連休にならんし、2連休は嬉しくないわけじゃないけど休みたい時は自主的に休み取るし、平日にポコッと赤日があるのが小休止って感じで好きなんですけど…。
あとね〜、休みが他の人とかぶると人混みの中へお出かけしなくちゃならなくなるから云々…(笑)
「成人の日」の過ごし方
現代の成人式及び成人の日の過ごし方を調べてみました。
成人式
以前の式典参加の対象は、前年の成人の日の翌日からその年の成人の日までに20歳の誕生日を迎える人でしたが、いつからか不明ですが前年の4月2日からその年の4月1日に20歳になる人が対象とされるようになったようです。
また、地域によっては帰省シーズンなども考慮して大型連休やお盆に成人式を行う自治体もあるそうです。
女性は振袖、男性はスーツや袴などで正装します。
最近は女性でも袴を着たりしますが、動きやすさとブーツも履けるというメリットがあるようです。
雪国は特にブーツが履けるのはありがたい!
…でも、袴は専門学校や大学の卒業式でも着れるので、成人式はやっぱり振袖に白いモフモフが良いかもしれませんね(*´꒳`*)
一生に一度のことだし、後悔のない格好で写真に残したいものです。
私は反抗期が抜けきらずムスッとして写ってしまって、なかなか写真を見返す勇気がありません…
ビジュアルが残るものは気をつけたい(笑)
振袖
ハレの日に着る振袖は見ているだけで華やかさを感じますが、振袖を着るのには意味がありました。
着物にも様々な種類がありTPOに合わせて様変わりします。
振袖は未婚女性しか着れないものであり、未婚女性にとっての礼服とされてきました。
成人式は最も格式の高い儀式とされている冠婚葬祭の「冠」に当たるので、未婚女性は振袖で参列するのが通例とされています。
また、成人式で着る振袖の色に、赤が多いのにも理由があります。
このブログでも何度かお伝えした事がありますが、赤は神聖な色であるのと同時に魔除の意味があります。
節目、節目にお祓いをする日本人の文化がここにも現れていました。
振袖を着る意味がもう一つあります。
振袖というのはその名の通り、「振り」がある着物を言います。
古来より、神様に仕える巫女が「魂振り」という儀式を行なっていましたが、これは袖や長い布を振って神様を呼び起こすものです。
「振る」という動作は厄を祓ったり神様へお祈りを捧げるという行為で、振袖の「振り」を振ることも同じものとされてきました。
確かに、神社のお祓いなどで神職さんが御幣(白い紙がいっぱい付いたやつ)を振ったり、巫女さんの神楽でも鈴を振ったりしていますよね。
このように、人生の節目にハレ着を着て厄を落とし、神様の御加護のもと一人前としてこれからの未来へ無事に飛び立っていけますように、という願いが込められたのが成人式で着る振袖なんですねー。
これには、振袖を用意してくれる親の、大切な子へ対する愛情、想い、願いも溢れるほど込めれられているのでした。(エエ話やないか)
どうですか?
ちょっと振袖を着たくなったでしょ?(未成年の皆さんは昭和時代のネタでもハテナなのに、それより古い時代の風習とか書いてるこんなウンチクブログ読んでないか)
因みに男子の羽織袴は、武家の準礼装だったことから。
「はかま」は「はくも」という言葉が語源とされています。
「はくも」の「はく」は「履く」という意味で、ズボンやスカートなど”履くもの”のこと。
「も」は「裳」で、腰から下にまとった衣服の総称であり、十二単を構成する着物の一つでもあります。
羽織袴は洋装でいうところの、ディレクターズスーツやタキシードにあたります。
成人式は一生に一度。
せっかくのハレの舞台は、振袖・羽織袴で素敵な思い出を残して欲しいなと思います(*´꒳`*)
人気ブログランキング
ポチポチしていただけると喜びます
成人式の由来、いろいろ目から鱗でした。古くからあるしきたりが起源とはなんとなく思っていましたが、時代の節目節目で様変わりしてきたのですね。説明していただくと納得ですが、我が国の歴史を紐解く切り口としても興味深いです。
雷電さん、いつもコメントありがとうございます(*^ω^*)
私自身、この祝日シリーズの記事を書くため、改めて色々と調べて初めてこのような経緯があったのだと知りました。
何となく祝日という休日を喜んで過ごすだけでなく、その裏にある歴史を想いながら過ごすのとでは質に少し厚みが出る感じがします♪
一つの祝日をとっても、そこには日本神話から始まる神道の歴史、仏教の歴史、戦史、各時代の歴史など様々な歴史が折り重なったものであることがわかりました。