建国記念の日

戯言

祝日の意味と由来とウンチクと <2月(建国記念の日)>



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前回の記事。↓

あまり何の祝日か認識されてない「建国記念の日」。
この日は初代天皇である神武天皇が深く関わっています。

神武天皇…キャラ的に好きなんですよね、私。(キャラとか言ったら怒られそうだけど笑)
や、だって、”初代”って響き、なんかアツくないですか?(笑)

神武天皇不在説とか色々ありますが、それは別の議論に発生するので(笑)ここでは触れません。

建国記念の日(けんこくきねんのひ) 2月11日 

同義語:紀元節
意義:建国をしのび、国を愛する心を養う。

まず、ここでいう建国とは何か?という事ですが、一般には「神武天皇が即位した日」です。

少し神武天皇について触れます。

日本には、日本最古の歴史書とされる「古事記」と「日本書紀」というのがあります。
日本書紀は特に「国史」と呼ばれ、公的な歴史書とされてきました。
この2冊は併せて「記紀」と呼ばれますが、編纂時期はどちらも奈良時代です。
記紀の詳細についてはまた別の機会に触れようかなと思いますが、このどちらにも初代天皇として書き残されてるのが神武天皇です。

神武天皇の本来の御名は神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコノミコト)といいます。
授業で聞いた事がある!という方もいると思います。
神武天皇九州の高千穂あたりから兄の五瀬命(イツセノミコト)東征(征伐しながら東へ向かうこと。「神武東征」とも称される)をし、現在の奈良の橿原市を治めて初めて天皇位につきました。

神武天皇がお住まいになっていたところが現在の橿原神宮で、神武天皇御陵もそのエリア付近にあります。(御陵は遠巻きですが手を合わせることができます)

日本書紀では神武天皇が即位したその3年後に、「辛酉年の春正月、庚辰の朔(ツイタチ)に、天皇、帝位(アマツヒツギ)を橿原宮に即(シロシメ)す」と記されており、この”しろしめした”日が旧暦の元日とされてる日であり、太陽暦(太陽暦についてはこちらで詳しく掲載)でいう2月11日にあたるため、この日が初代天皇が即位し「日本」という国が成った日という事で祝日となりました。
またこの年は紀元前660年ですが、神武天皇が即位したこの年を日本の紀元とし、それ以降の年の数え方を「皇紀○年」と言うこともあります。

明治〜戦前は2月11日を「紀元節」と呼称していました。
紀元節四大節(四大節はこちらで説明しています)の一つです。

そう、元は「紀元節」という祝日でした。

なぜそれが「建国記念の日」に呼称が改められたのでしょうか?

実はこれもまたGHQ(GHQについてはこちらでサラッと触れています)の介入によって、変えられてしまったのでした。
戦後に紀元節は一度廃止されます。(GHQはとにかく日本人の精神的な拠り所である神・天皇にまつわるものは排除して日本の弱体化を図るのが目的だった、と言われています。この時に憲法なども変えられ、天皇は「象徴」と置き換えられました)

昭和27年(1952年)、日本が独立を回復した頃から紀元節の復活運動がおき、国会で紀元節を復活させる案が出ましたが、日本神話(記紀)を基にした「紀元節」として復活させることに反対したグループもあり、あーでもないこーでもないと紆余曲折を経た後、「建国をしのび、国を愛する心を養う」という趣旨で「建国記念の日」とすることで決着しました。

復活を果たす一助となったのは、テレビ局が行ったアンケート調査で80%以上の国民が「建国を記念する日」を望んでいるという結果が出たことでした。
民意が復活させた祝日と言っても過言ではないかもしれないですね。
そう思うと、2月11日は大切に過ごしたくなるなぁ…(*´꒳`*)

建国記念日」ではなく「建国記念」と間に「の」を入れたのは、「記紀とか云々じゃなくて、単に建国されたってことを記念する日という意味ですよ〜」と反対派が何となく意味をぼやかすためという説もあります。

「建国記念の日」の過ごし方

建国記念の日の風習や過ごし方を調べてみました。

紀元節祭

紀元節が初めて制定された明治6年(1873年)から宮中ではこの祭事が毎年行われ、昭和2年(1927年)には全国の神社でも同じように紀元節祭が行われるようになりました。

皇室祭祀令が定める大祭のひとつとなっていて、天皇が皇族や官僚を率いて祭典を行います。
午前9時30分から始まり、午後3時30分まで宮中三殿での御拝。
夜は賢所神楽の儀に準じ神楽の奏楽、という流れの祭事でした。

上述した通り、戦後にこの祭事はGHQによって廃止され、「紀元節祭」という名称の宮中祭祀は行われなくなりましたが、昭和24年(1949年)の2月11日に「臨時御拝(りんじぎょはい)」という名目の紀元節祭と同様の祭祀を昭和天皇が行い、後の平成天皇である上皇の明仁天皇もそれを受け継いできました。

国民の間では、現在は一部の人達によって「建国祭」という呼称に改め、全国の神社で祭典が行われています。(「紀元節祭」としている神社もある)
神社本庁などからは、宮中に対し「紀元節祭」として復活させて欲しいという要望があるそうですが、宮内庁は拒否してるそうです。(意味深……)

…という感じで、一般の国民の間では特別何かをしたりというのはないようですが、こうやって紐解いてみると”様々な問題があった中で先人が勝ち取った祝日”という感じがして、意義にあるように、建国をしのび、国を愛する心を養いながら「建国記念の日」を過ごしたい気持ちが芽生えます。

記紀を読んだことがない方は、この折に読んでみてはいかがでしょうか?
でもちょっと注意があります。古事記はサラッと読めるけど日本書紀はメチャメチャ長いので、心して挑んでください(笑)



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コメント

    • ワソ
    • 2021年 3月 14日 1:17am

    なんとなーく知ってるような知らないような事なんで確認兼ねて勉強なります

      • RYO
      • 2021年 3月 14日 2:31pm

      ワソさん、コメントありがとうございます(*´꒳`*)
      私も今まで何となーく知ってるつもりでいましたが、改めて色々調べてみると「そうだったんだ!」という発見があって、自分自身も勉強になりました♪

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