四国地方

120. 伊豫豆比古命神社(いよづひこのみことじんじゃ)・後編 〜愛媛県松山市〜


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前回の続きです。

お天気良好!

伊豫豆比古命神社の社殿の回廊を一周してきたあとは、境内を散策。

椿祷殿(ちんじゅでん)

神楽・学問・武道の場として在った舞殿は、平成12年に「椿祷殿」として再建されました。
1階が社務所、2階が御祈祷者控室となっています。
珍しい白い陶器の釣り灯籠がかかっていますね。

車は伊豫豆比古命神社の背後(西側)にある駐車場に停めましたが、その駐車場から直で入って来れるのを、私は敢えて神社の正面から入りました。(やっぱり正々堂々を正面から対峙したい!)

裏の出入り口にも手水舎が用意されています。

西側の手水舎

「恋闕(れんけつ)」。

「恋闕」とは、天皇皇后両陛下を深く敬い慕う、という意味。

「思衣婆於母和禮留(おもえばおもわれる)」。

自分が思ったように相手からも思われる、それは人も神も同じである。ということを謳ったもの。

立て札の下の”またぎ鬼”(瓦)ですが、よーく見ると五七の桐紋らしき紋が入っています。(五三かも。よく見えない)
戦国時代に四国統一を目指した長曾我部元親豊臣秀吉に敗れたのち、元親チームは滅ぼされることはなく、秀吉に屈服しその配下に下ります。
であればこそ、この四国の地に豊臣家の家紋があっても全く違和感はない。
この伊豫豆比古命神社の御神紋の可能性も考えましたが、こちらの御神紋は十六紋菊なのでやはり豊臣家の家紋ってのが有力かな。(違ったらスマン)

……でも、天皇の系譜である人物を祀ってないのに十六紋菊ってのも少し違和感があるけど……

あと、署名のある「長曽我部 勝」という人物は誰か不明でした。
元親の血縁の歴史的人物ではなく、子孫かなにかではある現代の愛媛県在住の長曽我部さんなのかな?

こちらの微妙な形の碑は、伊豫豆比古命伊豫豆比売命の二柱の神様が舟山(神社の社地で丘をなしているところ)に御舟を寄せた、という由緒に基づいて模られています。

御倉神社

ここで祀られている食べ物の神様である宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ。倉稲魂命)は、全国の稲荷神社の主祭神として祀られている神様。
宇迦之御魂神は、伏見稲荷大社にあるようにお狐様とセットが常で、その雰囲気は通常の神社とは一線を画すような趣がありますが、宇迦之御魂神とお狐様が結びついたのは平安時代に仏教が盛んになった頃から。

「ウカ」というのは「食(う)け」のことで、食べ物、特に稲の”魂(神)”を表します。
故に、「それは通説ではない」と批判気味に言う人が多いかもしれませんが、伊勢神宮外宮の主祭神、食べ物を司どる豊受大神(とようけのおおみかみ)も「うけ」であることから、宇迦之御魂神豊受大神はやはり同一なんじゃないかなーって思っています。

鋏魂碑(きょうこんひ)と筆魂碑(ひっこんひ)

ハサミと筆を供養する碑ですね。
日本は自然信仰(アニミズム)による八百万の神々どころか、”物にも魂が宿る”として、生活に大いに役立ってくれる物にも感謝する風習があります。
「もったいない」とか「ものを大切に扱う」っていうのも、元はこの”感謝の気持ち”からきてるのでしょう。
空箱とか紙袋とかを無駄にとっておきたくなる人が多いのも、この日本文化と価値観の継承だと思います(笑)

慰霊碑

伊豫豆比古命神社が在る石井地区一体の戦没者の慰霊碑。

和石(わせき)

世界平和を祈念した和石。

勝軍八幡神社(かちいくさはちまんじんじゃ)

こちらの立派な境内社は、誉田別命(ほんだわけのみこと)を祀る勝軍八幡神社

誉田別命第15代応神天皇(おうじんてんのう)の別称で、全国にある八幡神社の神様です。
武勇と学問の神。

こちらのさらに立派な境内社の児守神社にお祀りされてるのは、木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)天之水分命(あめのみくまりのみこと)

児守神社(こもりじんじゃ)

木花開耶姫命は天孫降臨でこの地に降りてきた天照大御神の孫の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の嫁で、この国の山々を司どる大山津見神(おおやまつみのかみ)の娘。
つまり、瓊瓊杵尊と木花開耶姫命の婚姻は、別々の種族の融合を示唆しています。(余談)

天之水分命(あめのみくまりのみこと)はその名の通り、雨を降らせたりして水を各地に分配する神。

で、このちょっと奥まった場所にあるこれが、前回の記事で紹介した、例の厄玉を投げつける岩!

こんな物陰で「こんにゃろ!!」とか一人厄玉を投げつけてるところなんか目撃されたらちょっと気まずい。

とはいえ、やっぱりこの「割る」とか「壊す」という行為ってちょっと気持ちよかったりしますよね。(さっき「ものを大切に」という話をしたばかり)

いやぁ、しかし!
神事における「割る」という行為は、厄除けや清めの意味があり、割ったり壊したりする事によって何かを終わらせ、新たなスタートを切ったり吉兆を呼ぶという意味があります。
正月に酒樽の蓋や鏡餅を木槌で割る「鏡開き」も、あれは「鏡割り」ではなく縁起の良い”開く”という言葉に変えて新たな年に吉兆を呼びこむ神事なのです。
勉強になりましたね?どうです?

祓岩

琵琶湖に浮かぶ島全体が御神体の竹生島神社では「土器(かわらけ)割り」というのがあります。
こちらは玉ではなく皿に願い事を書いて、向こうにある鳥居の中を目掛けて投げる、というやり方。
趣旨としては、厄除けではなく祈願ですね。

竹生島は竹生島神社の他にも見所たくさんでした。おすすめ。
琵琶湖の辺りから竹生島へ渡るフェリーが出ています。
行ったの今から10年前かぁ、懐かしいなぁ〜…

上の狛犬さんは松山市の有形文化財になっています。

木造狛犬一対

 狛犬は、宮中や神社に置かれた守護獣の像で、普通の獅子と一角をもつ獅子との姿に作られ、阿吽を表すのが一般的である。獅子形だけの一対もあり、この狛犬はそれである。もとは木造のもので神社の社殿に置かれていたが、のちに石造りとなって参道の両脇に配分されるようになった。
 この神社の狛犬は、木造で、獅子型だけの一対である。様式化されていて、作行は雄渾精緻である。銘文を欠き塗料も剥落しているが、室町時代末期のものと考えられ、松山市内では他に類例を見ないものである。
 口をあけた『阿犬』が六四cm、口を閉じた『吽犬』が六七cmである。

今から700年ぐらい前からこの神社にいる狛犬さんですね〜。
木造は本当に珍しいし、とても貴重。

狛犬の起源を考える時、琉球王国のシーサーの影響で?と考えたりします。
中国では獅子としてあったものが琉球王国に渡って幻獣”シーサー”となり、対にして家屋の入り口や屋根の上に乗せて守神をお願いするようになりました。
それが九州に渡り、「ナニこのワンちゃん、かっこいいかも」と”狛犬”として神聖な場所に置かれるようになった……のかな?と。
獅子やシーサーとは様相が少し違うのは、日本独自のものとして変化が加わっていったからでしょうね。

授与所

こちらの授与所は大きい神事の際などに開くみたい。
普段は拝殿横でお守りとか色々いただけます。
御朱印もそちらへ。

私はせっかくなので、御朱印の他に清めの塩もいただいてきました。

可愛い椿柄の袋の中には、パッケージに神棚の絵が書かれたお塩が入っています。

行った先の神社の御守りもいいんですが、手元が御守りだらけになってしまうしそんなに欲張る必要なないので、御朱印の他にその神社オリジナルの御朱印帳とか、こういった日常使いで消費できるような有難いお塩をいただくことが多いです。

次の記事では伊豫豆比古命神社の御朱印のご紹介、そしてその次はまたお狸様のあの神社を訪れます!



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