北海道

83. 札幌祖霊神社(さっぽろそれいじんじゃ) 〜北海道札幌市〜



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(御朱印はコチラ↓)

前回ご紹介した神社の菊水神社ですが、札幌市白石区に移る前は現在の札幌市中央区南5条西8丁目にありました。

もしかしたら何か形跡があるかも?
とGoogleマップを航空写真で見ていたんですが、それっぽいところは見当がつきませんでした。

その代わりに目に飛び込んできたのは札幌祖霊神社

いや、正直名前は知っていて昔このあたりに住んでいたこともあったのですが、その頃は今ほど神社神社していなかったのでじっくり見ることもありませんでした。

そんな札幌祖霊神社を今頃になって訪れるとは…

しかしながら、本陣狸大明神菊水神社札幌祖霊神社って、まるで札幌市の歴史を辿ってるようで良い流れではないですか!?そうでしょう!?(笑)

基、地元についての新たな発見に個人的に少し楽しくなっていたのでした。
「ココでアレと繋がるのか〜!」と自分で発見することが歴史の面白さだと思うんです。
子供の頃に神社巡りをしていたら、歴史や政治経済についてもっと早い段階で興味を持っていただろうなぁ。

嫌いだったんですよ、歴史と政治経済。
それが今では結構なマニア…

もしも、「社会の授業嫌いだよ〜」っていうお子さんがいたら、古事記をまず読ませてあげて欲しいです。読み聞かせでも、漫画でも何でもいいから。
それが日本の歴史書の1ページです。
真実かどうかは置いておいて、日本って神話から始まってるなんて、そんな面白い国はないですよ!物語が現実に溶け込んで現代に繋がってるなんて!

『札幌祖霊神社(さっぽろそれいじんじゃ)』

所在地  北海道札幌市中央区南5条西8丁目1
御祭神  天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)
     天神地祇八百万神(てんじんちぎやおよろずのかみ)
     氏子祖霊神(うじこそれいしん)
     天祖三神(てんそさんじん)
     大国主神(おおくにぬしのかみ)
     産土大神(うぶすなのおおかみ)
     皇霊神(こうれいしん)

社格   なし
例祭日  春分・秋分の日
鳥居   靖国鳥居
社殿様式 神明造(切妻平入造)

【由緒】
明治4年開拓使黒田清隆らが奨励して神道信奉者の祖霊祭祀のため曉野共葬墓地入口に霊祠を建てる。同10年札幌神社の禰宜若林嘉倫を初代神主とする。
同18年札幌神社より御祭神の分霊を奉斎、祖霊社本殿を落成し別称号を東雲(しののめ)祠とも言う。屯田兵開拓移民の神道に改葬改宗の斎場として現在に至る。
同44年前年失火焼失のため新社殿竣功。大正8年社殿廻廊増築、石垣玉垣の建造、同15年石造鳥居竣功。昭和28年宗教法人認可、同36年創立九十年記念奉祝祭、社殿増築。
同43年氏子会館(4階建)社務所集会所を含む建造。同46年創立百周年記念奉祝祭で百年記念誌配布。同51年拝殿・霊殿増改築。
同56年創立百十年奉祝祭において鋼製鳥居新築および境内造成整備を行う。平成3年創立百二十年奉祝祭において社殿屋根修築。平成7年、境内地60坪を拡張。
平成13年創立百三十年奉祝祭にて社殿内外補修、祭器具補充、境内地・樹木の整備、その他

由緒にありますように、この神社は明治4年(1871年)に開拓使である黒田清隆(薩摩藩士の黒田仲左衛門清行の長男。後に北方開拓の開拓使の三代目の長官に就任)らが霊祠を立てたところから始まり、来年の令和3年(2021年)でちょうど150年を迎えます。

明治2年(1869年)に北方開拓が始まり、昭和31年(令和元年/2019年)に蝦夷地「北海道」と命名され開拓されてから150年の節目となりました。
北方開拓が始まった年から2年後の明治4年に、黒田清隆が開拓使としてやってきて、この札幌祖霊神社の礎を築いた、ということです。

なのでね、これはもう歴史の一部ですよね。
「神社を知るということは歴史を知る」ということなのですよね。

嗚呼、でも北海道外の方にとっては開拓使がどーのって言われてもあまり興味は湧かないかもしれませんね(^-^;)
しばしお付き合いくださいm(_ _)m

社号標

札幌祖霊神社があるこのあたりは、国内有数の歓楽街の一つ、ススキノの西側のはずれにあたります。
前回の菊水神社でお伝えした通り、ススキノというのは元は遊郭があった場所でした。(今ではススキノの南のはずれや東のはずれにコソッと遊郭が数件残ってるとか残ってないとか…)

ひょっとして??
と思い、菊水神社が元あった場所がこの札幌祖霊神社の場所では!?と調べてみましたが、菊水神社が現在の場所に移設された前後での札幌祖霊神社の移設は行われておらず、ずっとこの場所にあるようです。

来年で150年の歴史を持つ神社ですが、鳥居やお社に新しさを感じるのは、一度、明治44年に火災で焼失して以来、少しずつ少しずつ増改築を行いながら現在の姿になったからでしょうか。

狛犬さんはいませんが、両脇に石灯籠があります。
「明治三十六年四月吉日」と彫られていました。

手水舎

この手水舎の奥にある石蔵!
これはこの神社で一番古いものではないでしょうか!?
例祭の御神輿などが中に入っているのかな?

拝殿
社額

コロナ対策でお賽銭箱は扉の中に仕舞われていました。(社務所にお伝えいただければ開けてくれるそうです。が、私は御朱印の初穂料を多めにお渡しして、お賽銭として納めていただきました)

拝殿から参道の景色

参道はアスファルトなので雨天でも安心。(泥跳ねしない)

今は多くの神社で新型コロナウイルスに対して早期終息の祈願をしていますが、こちらの神社でも祈願をしていました。
世間がウイルスに警戒するのもわからなくはないですが、経済も動かしていかなければ企業が倒産、雇用の悪化、消費の低下、のループに陥って衣食住もままならない人がたくさん増えてしまいます。
今は個人としてできることをするだけ…というか、それしかできなくてもどかしいです(*_*)

鳥居の向こうは普通にマンションや飲食店が立ち並んでいます。
ビジネスホテルも幾つかあります。

御籤掛けと絵馬掛け

ここでちょっと注目して欲しいポイントがあります!

社務所

社務所の幕に赤い星マークが描かれています。
幕に描かれているということは、当然、これが札幌祖霊神社御神紋になるわけです。
星のマークといえば安倍晴明をお祀りする晴明神社の御神紋を思い浮かべますが、こちらの御神紋の「晴明桔梗印」は中に五角形ができる五芒星
安倍晴明が魔封じの際に一筆書きで書いた印です。(白抜きね)

晴明桔梗印

一方、札幌祖霊神社の御神紋である星マークは、赤色で中が塗り潰されています。
これは五芒星ではなく五稜星と言われる印で、北海道開拓使の北辰旗(ほくしんき)そのものであります。

北辰旗(wikiより)

北辰」とは北極星のことを指します。
開拓使の船が本州と北海道を往来する際に目印として旗をかざすように義務付けられました。
デザインの考案に関わった函館出身の蛭子末次郎(えびこすえじろう)という人が、今では函館の観光名所として人気の五稜郭にインスパイアされ星形をシンボルとすることを思い付きました。
因みに、五稜郭は本来は十稜郭になる予定だったんですよ。
五稜郭の角と角の間の凹んでるところから、一部だけ、星の欠片のようにぴょこんと出ている部分があります。(写真の星形の下のお股の間の部分)

五稜郭

このぴょこんを、他の4つの凹みのところにも作る予定だったのですが、予算が足りなくなってしまい、一箇所しか造れなかったそうです…
そんな理由!?(経理さんちゃんとして!)ってなりましたが、逆に面白いですよね。
今ではあのぴょこんと出てるのが見慣れているのもあってしっくりくるし、十稜郭だったらちょっとトゲが多すぎてウニみたいでウザいかも(笑)

あ、話を戻して、この五稜星ですが、五稜郭絡みの他にもう一つ由来があります。
夜空の北極星です!
船乗りにとって目印が何もない夜の大海原を航行する際、道標として頼りになるのが北極星でした。(今みたいにGPSとかもないしねぇ)
常に多くの星の中心となって北の空に不動で光る北極星を目指して進む船。
北辰”は開拓使の心の拠り所であり、不安を掻き消す希望そのものでした。
その北辰をモチーフにしたのが北辰旗であります。

現在の北海道章は、開拓使長官であった黒田清隆が考案した七稜星を基に(この図案はなんか知らんけどボツになったんだって)、北の海や空を表す紺を地色とする黒田案を組み込み、道民の不屈のエネルギーを表す赤い七稜星に、光輝と風雪を白い光で表したものになっています。

七稜星(wikiより)
北海道旗(wikiより)

生まれてからずっと北海道に住んでいながら北海道章の意味を今初めて知りました(笑)
神社のことを調べるといちいち勉強になりますね〜。

また開拓使の五稜星は「開拓使印」や「開拓使章号」などと呼ばれ、開拓使が建てた建築物や開拓使直営工場のシンボルとして掲げられ、製品には赤い星のマークが刻印されました。

それは今でも札幌市内に残されています。

例えば…、皆さんご存知、北海道ガッカリスポットという異名を持つ(そんなことないんですよ!歴史を知って見学するとこれも素晴らしい遺産とわかります)時計台!(赤い星を探せ!)

札幌時計台

北海道庁旧本庁舎、通称赤れんが庁舎にも!(赤い星を探せ!)

北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)

それから先日の井頭龍神の記事で紹介した清華亭にも!(赤くないけど星を探せ!)

清華亭

ビール好きな方ならご存知、サッポロビールにも!(赤い星を…お、美味しそう…)

サッポロビールの旧工場は今は「サッポロビール博物館」になっていて見学ができます。
ビール好きな方は是非足を運んでみてください。
ここでしか飲めない特別なビールも飲めるそうですよ。(さあさあ!赤い星を探せ!)

サッポロビール博物館

ビール工場に赤い星が付いているということは、開拓使が作ったということですよね〜。
この地で、開拓使がビールについて詳しい人を国内外から呼んで、開発をしていったということです。
何気に飲んでるサッポロビールには開拓使の想いが込められているんですね〜。

この他、札幌駅直結のJRタワーの正面に掲げられてる時計マンホール消火栓、札幌市内の色んな場所で赤い星や星マークを見つけることができます。(星をモチーフにする札幌市って可愛くない?)

札幌へいらっしゃったら、今の札幌をつくった開拓使のシンボル、五稜星を探してみてくださいね。

そんな開拓使の長官である黒田清隆がこの札幌祖霊神社の礎を築いたことにより、御神紋はこの赤い星、五稜星を授かったわけですね。
全国探しても赤い星の御神紋はこの神社だけです。

で!
見て欲しいのがこのお守り!

シンプルに赤い星だけってカッコ良すぎませんか!?
いやしかも「特★」て!表現もなんかズルい!(笑)
これは欲しくなっちゃう(笑)

これも見てー。
五稜星だけに五色ですか〜!
コレクター魂に火が点いちゃう…我慢するの大変。
だってお守りだから。集めたりするものと違うから…(笑)
でもこれ可愛いですよね♪(*´∀`*)

他にも色々なお守りがありました。
交通安全守りとか八方除け守りとか強そう。

あとこんなのも!

「開運だるまみくじ」と「叶う御守」

「叶う御守」のちりめんの柄は1点もの。
色んな柄があって可愛いです(*´ω`*)

こちらの社務所で対応してくださった方は、恐らく宮司さんだと思うのですが、笑顔でとても快く対応してくださって色々な質問にも丁寧に答えてくださりました。
参拝に行く前に電話で確認をしたのですが、その電話口の女性も大変丁寧な対応でした。
神様にお仕えする方は皆さん朗らかで親切な方が多いです。
私も見習わないと、と思わされます。

北海道開拓使から始まる神社である札幌祖霊神社
札幌の歴史を改めて学ぶ機会となり、150年の歴史に想いを馳せる良い時間となりました。



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