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2019年9月の伊勢神宮巡りで、1番最初に参拝(正確には世木神社の後なので2番目に参拝)した夫婦岩で有名な二見興玉神社。
その際に立ち寄ったところがありました。
国指定重要文化財とされている賓日館(ひんじつかん)です。
伊勢市二見町にあるこの建物は明治20年に、伊勢神宮に参拝する賓客の休憩・宿泊施設として、神宮の崇敬団体・神苑会によって建設されたものです。
歴代諸皇族が避暑や療養に滞在されたり、各界要人が数多く宿泊されていました。
明治44年2月に隣接していた二見館(三重県初の政府登録国際観光ホテル)に払い下げられ、二見館の別館として平成11年まで宿泊所とされ、二見館の廃業後は平成15年に二見町に寄贈されました。
そんな賓日館は二見興玉神社の参道の途中、海が見える場所に佇んでいます。
外観を見た時に一瞬お寺かな?と思ったのですが、鐘もないし独特の雰囲気もないのですぐに違うなって気付きました。
いつものように、現地の下調べをきちんとせずに行くので行く先々で「コレ何なん?」が起こります。
そう、私は、その現象を”新たな発見”と呼んでいます(笑)
で、その賓日館の門構えです。

日光でレンズが反射してしまって彩度が悪く見えますが、見るからに歴史を感じる佇まい。
今から133年前に建てられたものです。

天気が良すぎてレンズフレアから逃れられません。
中を見学できるのでもちろん見学させていただきました。
310円(大人)で入館できます。
次を急いでいたので後から見返したらあまり写真を撮っていなかったです(^-^;)
しっかりご覧になりたい方は是非、現地へ!(ぶん投げ)
とは言いつつ、少しは写真を撮ってきたので掲載します。

こちらのカエルが3匹乗っている階段の親柱ですが、なんと一本の木から掘られているものなんです。
二見と言えば二見興玉神社にあるようにカエルが象徴になっていて、この柱の帰るには「二見ガエル」という名前が付けられいます。
カエル可愛い(*´-`)
作者は板倉白龍という方で、師匠は橋本平八という倭姫命像を1,000体掘り上げたということで知られている有名な彫刻家だそうです。

上の写真は階段の踊り場の床なんですが、なかなか良さが伝わる感じに撮れなかったです(汗)
組み木のように異種の木を組み合わせた床になっています。
ラーメンの器柄の濃い色のはマホガニーとかかな?
白木はスギか檜でしょうか。
回廊から見える情景が美しかったです。
これは中庭です。

各部屋に展示物などもありました。
下の写真は日本人形。

賓日館は明治天皇の母にあたる英照皇太后のご宿泊に間に合うようにと、明治19年12月に着工し翌年2月19日に竣工されました。
格調高い建物がこれほどの短期間で完成というのは驚異なんだそうです。
明治末期から大正初期の間と、昭和初期の2回の大増改築を重ねて現在の状態となったそうです。
私が凄いな〜!と感じたのが大広間です。

特徴的なのはその天井。
桃山時代に流行ったシャレオツな天井でなんですが、アップ写真を撮り忘れ(笑)
この説明のように手の込んだものになっていて、時々浮かび上がる金箔が美しかったです。
ギラギラしていなくて慎ましやかでした。

この写真でわかるかな?
天井をよーーーくご覧ください。
シャンデリアのライトに反射して手前の格子の幾つかが白い模様の中に金箔が浮かび上がってるのをお分かり頂けると思います。
コレです、コレ。
伝わらんかー。
そしてこの奥にある能舞台!

こちらの能舞台は本格的なもので、しっかり音が反響されるように床が細工されています。
松の絵もとても素敵。
対面には床の間。

皆さんは床の間って気にしたことはあるでしょうか?
床の間というのは古くは身分の高いお客様をお迎えする為の最上のおもてなしのためにあるんです。
床の間がある位置が上座になるので、お客様には床の間を背にして座っていただきます。
で、床の間の使い方ですが、基本的に美しい掛け軸を掛けたり高価な壺を置いたり生花を置いたり、ただそれだけです!!
そのためだけにあるんです!!
子供が床の間に上がってはしゃいだりするところではないんです!(笑)
いや、何が凄いって日本人の美意識ですよ!(笑)
シャレオツ専用コーナーを作って素敵な物を設置して大切なお客様に見てもらって心地よく過ごしてもらおうっていうね、そしてそれらを客人の背後の位置にして下座から見た時に客人がこう〜素敵な物で華やいで見えるようにするっていう美意識!
そこには敬いもあるわけで。
こんな感覚や発想って日本人だけじゃないですかね?
UE、UK、USAでは見たことないんじゃないですか?知らんけど。
そしてサイドの違い棚ね!
別に一枚板でいいのにわざわざ違えてるんですよ!
違えさせる必要ある!?って思うけどわざわざ違えてるんですよ!
外国の方はきっと日本文化のこういうところが好きなんだと思うんです。
“わざわざ”手間をかけるという正に手仕事日本といった感じのセンスの細やかさ。
アントニオ・ガウディもそりゃあ確かに素晴らしい建築家ですよ。
がしかし!だがしかし!
日本って、日本家屋って常にこういう手の込んだ建築が生活と共にあったし、そういうものを生み出せる建築家が普通にたくさんいたんですよね。
なんて素晴らしいことでしょう…!
他にも欄間の組み木や机の螺鈿なども素晴らしいものでした。
いや〜熱が入っちゃいますね。
床の間の左にある琴はお触りOKだったので、横に「さくら」の楽譜があったので弾いていたら、催し物や見せ物や何かと勘違いした人々が集まってきたので気まずくて退散しました。
「さくら」って森山直太郎さんやケツメイシさんやコブクロさんの曲じゃないですよ。
日本の日本古謡のやつです。
正式には「さくらさくら」かな。
あれって琴の手ほどき曲なんですね。
弦を爪弾くだけで誰でも弾くだけなら弾けるもののようです。てか弾けました。
そしてこの大広間から見る景色がとても素晴らしかったです!

庭が見えてその向こうに二見浦の海が見渡せる。
木の間に海が見えますか?
庭木もよく手入れがされています。
対角左に見える部分は御殿の間で、とても格式高い造りになっています。
皇族方が利用されるお部屋でもあり、神宮の紋である花菱紋の装飾もされています。
今上天皇がお若い時にここへいらっしゃった際の写真などもありました。
本当に静養するにはもってこいの場所でした。
お庭には水琴窟もありました。
現在はお部屋の貸し出しもしていて、先ほどの大広間ではコンサートなども行われたりしてるそうです。
伊勢神宮巡りの際にはぜひこちらも寄ってみてください。
何しろ国指定重要文化財ですから見る価値ありですよ!
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