北海道

95. 美国神社(びくにじんじゃ) 〜北海道積丹郡〜



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2021年、北海道の短い夏の終わりかけに、”積丹(しゃこたん)ブルー“が美しい美国町へ行ってきました。

美国町はかつて、北海道美国郡にあった町で、現在は「北海道積丹郡積丹町美国町」という地名になっています。
町の中に町がある…ちょっとモヤりますが、昭和31年に美国町、入舸村、余別村の3町村が合併してできたのが積丹町ってことらしく、それを聞くとまぁ納得できてモヤりも薄れますね(笑)

「積丹(しゃこたん)」の語源はアイヌ語。
「夏の場所」の意味になる、シャク(=夏)とコタン(=村、郷土)が合わさってできた地名に漢字を当てたものです。

そしてね、積丹町の町章が可愛いなって思ったんですよ。

町章 (積丹町HPより)

3つの町が提携し発展していく姿を、3羽のカモメを繋いで輪郭にして表現し、真ん中に積丹岳、波、船を組み合わせて「丹」を表現。
カモメが手(翼か)を繋いでる町のシンボル、なんか可愛いですやん(*´ω`*)

積丹町は私達札幌市民にも人気で、夏場には「ちょっと遠出してシャコタン行こうぜ」みたいな会話が聞こえてきたりします。

積丹町は上述した”積丹ブルー”が観光スポットとして有名で、海に突き出た積丹半島の神威(かむい)岬から望む景色が息を飲むほど美しいのです。

「北海道でもこんなに透き通った美しいコバルトブルーの海があったんだ!」と誰しも感動すること間違いなし!(…の景色はこちらでどうぞ!→どっこい積丹)

北海道で唯一、海域公園に指定されている積丹の海。
平成16年には「積丹半島と神威岬」が北海道遺産に認定されました。

ぜひ一度、積丹へ訪れてみてください!

……いや、違う。
積丹町の宣伝をしたかったんじゃないんですよ、私は。
今回は美国神社です!
いざ進まん!

で、積丹町の海沿いを車で走っている途中にお手洗いへ行きたくなったので、見つけた小さなお店に立ち寄り(早速寄り道)…
ややや!!勢いよくクルクル回ってるコレはアレではないか!!

そう、魚を開いて干すアレ!!
程よく干されて美味しくなっちゃうやつ!
こういう港町特有の風景たまらんなぁ(*´ω`*)

因みにですが、このクルクル回すやつにはきちんと「回転式干し機」という名前がついております。

クルクル回すやつの横には、獲れたての鮭がキンキンに冷やされておりました。

積丹町は海の幸も豊富で、なんといってもウニが名産なんですよ♪
ウニ好きの方は旬の時期にぜひ!

…いや、違う、そうじゃない、積丹町の宣伝をしたいんじゃないんです。
美国神社のレポがこの記事の目的!

はい、着きました!

『美国神社(びくにじんじゃ)』

所在地  北海道積丹郡積丹町美国町大沢230番地
御祭神  保食神(うけもちのかみ)
     大綿津見神(おおわたつみのかみ)
     大山祇神(おおやまつみのかみ)
社格   旧郷社
例祭日  7月5日
鳥居   神明鳥居
社殿様式 流造

【由緒】
 享保10年(1725)京都伏見稲荷大社の御分霊を奉斎し、稲荷神社と称したことに始まる。明治8年郷社に列す。明治25年10月31日稲荷神社を美国神社に改称する願い出をし、明治26年5月25日許可された。明治44年2月17日船澗村大綿津見神社ほか5社の合祀を出願、同年5月29日許可が下り、10月10日に合祀した。同年には2月17日船澗村稲荷神社の合祀の儀も出願され、翌年7月4日に合祀されている。大正2年11月24日大字小泊村より大字船澗村字大沢230番地への移転を出願、同3年10月8日に許可され11月26日に社殿が落成した。昭和2年11月には神饌幣帛料供進神社に指定される。昭和7年4月23日境内地を454坪より521坪への増加の件を出願し同8年1月18日に許可される。
合併により合祀された歴史をもつ御祭神
小泊稲荷神社 保食神 弘化元年創祀 弘化元年合祀・厚苫稲荷神社 保食神 安政2年創祀 安政2年合祀・婦美稲荷神社 保食神 安政元年創祀 明治44年10月10日合祀・茶津内稲荷神社 保食神 天保元年10月創祀 明治44年10月10日合祀・船澗稲荷神社 保食神 文久元年創祀 明治45年7月4日合祀・大綿津見神社 大綿津見神 明治3年創祀 明治44年10月10日合祀・大山祇社 大山祇神 明治4年創祀 明治44年10月10日合祀
(北海道神社庁より)

享保10年は徳川吉宗の時代。今から300年ほど前に、京都の伏見稲荷大社から保食神がはるばる北海道のこの地に勧請されたのが美国神社の始まり。
保食神宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)の別名です。

当時の社名は「稲荷神社」でしたが、明治25年に「美国神社」に改称。
別の神社との合併に伴い、大綿津見神大山祇神も合祀され、食べ物と海と山の神様が揃って無敵な感じに。

北海道にしてはなかなか歴史の深い神社となります。

郷社だった神社なので、この辺りの神社としては大きな方なんじゃないでしょうか。
佇まいも格式が高いように感じます。

手水舎

昭和7年に境内地を454坪から521坪へ広げていることもあり、全体的に開けた雰囲気。

吽形
阿形
阿形
吽形

狛犬さんもなかなか大きくて立派!

阿形と吽形は左右が統一されていなく、神社によって立ち位置が異なったりします。

奥の狛犬さんは大正10年に奉納されたもの。
和嶋平作さんと和嶋順治さん。親子かな?ご兄弟かな?

拝殿

逆光で暗くなってしまいましたが、拝殿の造りもしっかりしています。
神饌幣帛料供進神社(しんせんへいはくりょうきょうしんじんじゃ)にも指定された神社なので、やはりそれなりの風格があります。

彫刻もなかなか。

社額

本殿は拝殿よりも木が古いように感じました。

本殿

拝殿から見ると、この境内の広さがよく伝わると思います。

拝殿から参道の眺め

ぜひ一度見てみたいと思うのが、この美国神社の例大祭で行われる「天狗の火くぐり」!

天狗の火くぐり神事 (どっこい積丹HPより)

ガンガン燃える炎の中を歩く天狗様が迫力満点でカッコ良すぎる!!
髪とか服とか燃えちゃわないのか心配…
これ一度でいいから見に行きたいんですよねぇ〜。

ネットで検索すると、他にも誰かが撮った炎の中をくぐるカッコいい天狗様の写真がたくさんあるので、ぜひ見てみてください♪

境内には一基だけ末社がありますが、御祭神や由緒は不明でした。

ですが、こちらの狛犬さんもなかなか歴史を感じます。
美国神社は大正3年に、元あった場所からこの地に移転してきているので、それ以降にこの末社はここに置かれたことになりますね。

この狛犬さん達は移転してきた時からここに居るのかな?

確かに石の風化具合が昭和ではなさそうな気も。
邪気を祓うための狛犬さんが、丸みを帯びてなんとなく可愛らしいくなっています。

どんな神様が祀られているのでしょう?
気になりますね。

境内には、切り株から新たに別の苗が育った木があったり、不思議な形をした松(かな?)があったりと、植物がびのびと息づいていました。

せっかくここまで来たので少し探索を、ということで黄金岬まで来てみました。
積丹ブルー神威岬まではちょっと距離があるので今回はパスっすねー。スミマセン。(あんなに宣伝しておいて)

黄金岬でも十分に綺麗な海が望めるんですが、この日は薄曇りなのと陽が傾きかけてたので、色彩があまり映えていませんでした。
それでもなんとなく北海道の海の色にしては綺麗なのが伝わるかな?

この岸壁は、黄金岬から見れる宝島です。

この位置だとわからないのですが、上から見るとハートの形をしていて、彼氏彼女でキャッキャしに来る人も多いです。

宝島

こんな風に、♡型の島なんです。

宝島 (Googleマップより)

どっこい積丹」のHP内の動画では、雪に覆われて真っ白になった♡の宝島を見ることもできますよ♪

黄金岬から港の方に降りてブラついていたら、遠くから良い匂いが…

スンスン、スンスンスン…

これはイカ焼の匂い!!

イカ天国や〜!

このイカ天国は、遊覧船「ニューしゃこたん号」の乗り場の近くの鎌田商店さん。

良い具合に干されたイカを、その場で七輪で焼いて、こんなふうにカットして食べさせてくれます。

ウマー!(*゚∀゚*)

焼きたて柔らか香ばしいー!٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
やっぱり道産食材はシンプルな食べ方が一番美味しいっ♪

お昼に美国長でお寿司を食べたけど、3時のおやつに丁度良かったワー(о´∀`о)

そうなんです、積丹町はイカも釣れるんです!
港にはイカ釣り漁船もチラホラ停泊。

なんかこのイカ釣り用の電球の感じがたまらなくエモかったんですよね〜(*´ω`*)

海にはカモメがぷかぷか浮いていました。

カモメとウミネコって似ていますが、よく見るとちゃんと違いがあるんですよね。
この子達は恐らくみんなカモメかな。

ウミネコはカモメよりも黒白がはっきりしていたり、嘴の色が一部違ったりします。
成長過程で羽の色が違ったりもしますが、成鳥になればはっきり見分けがつきやすくなります。

あー!
さっきまで一番後ろの子も前を向いていたのに!!(笑)

こんな風にボーッと海を眺めてたりなんて、ちょっと久々でした。
日常は忙しなくて、自然に触れることを忘れがち。
神社を口実に、たまにはこんな時間を持つものいいですね。

今回は積丹観光が目的で、神社のことは頭からすっぽ抜けていたもので、御朱印帳を家に置いてきてしまったんですよね〜。
よって、美国神社の御朱印はいただいてません。
いつか何かの折にいただきに上がりたいと思います。



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