神社・仏閣ランキング
ポチポチしていただけると喜びます
(前回の記事はこちら↓)
いよいよ、三輪山の左に広がる摂社・末社の一番端っこ、玉列(たまつら)神社へ向かいます。(これでもまだ半分!)
日本最古の古道、山の辺の道を更にひた歩き。
途中、このような看板が。
前回の記事でも触れましたが、「海柘榴市」と書いて「つばいち」…
……やっぱり読めないって!文字数合わないって!(笑)
因みに、当時の発音だと「つばきち」となるようです。
「海石榴」と書いて「つばき」が本来の読み。
海柘榴市とは、日本書紀や万葉集でも記されている古代の一大中心地で、このあたりがその海柘榴市があった一帯。
そこから山の辺の道があちらこちらにのびていました。
現在も山の辺の道は辿ることができ、今回の大神神社の摂社・末社巡りも山の辺の道を徒歩で移動しています。
看板の文字が少しボヤけてて読みにくいですが、「三輪・石上」の”石上”とは石上神宮のことを指しています。(石上神宮へも行ったので後日記事で書きます)
大神神社の摂社・末社巡りの最終地点である檜原神社が天照大御神が最初にお祀りされていた場所で、その後に伊勢神宮へと移ります。
「伊勢・長谷詣が盛んになるにつれて宿場町として栄えました」とありますが、この一文は、檜原神社から天照大御神が移動して伊勢神宮でお祀りされ、当時の人達がこの海柘榴市で一休みしてから伊勢神宮へ向かっていた、ということを表していますね。
海柘榴市では男女が歌の掛け合いをする遊びが流行っていました。
詠まれた歌が石に刻まれています。
「……はは…さ…………
八十のちまた……へる……」
文字読めんし陰影が分かりにくくて更に読めん!
ので、なんて書いてあるのか調べました。
「紫は 灰さすものぞ 海石榴市の
八十(やそ)のちまたに 逢へる子や誰れ」
”海柘榴市”を詠んだ最も有名な歌だそうです。
現代語訳は「紫染めには海石榴(椿)の灰を加える その海石榴市の八十の巷で出逢った子は誰」。
海柘榴市で見かけた女性に心を奪われた男性が、「あの可愛い子はどこの誰だったんだろう?」と想いを馳せてる歌ですねぇ(=´∀`)
恋愛は今も昔も甘酸っぱい。
とかなんとか妄想しながら玉列神社へと歩みを進め…てか、めちゃくちゃ遠いんですけど!!!!(玉列神社の神職の方に「大神神社から歩いてきました」と言ったら「えーっ!!歩いて!!?!?遠かったでしょう!!?」と凄く驚かれました笑)
恐らくここは県道199号線だと思いますが、この道の途中にある給食センターのトラックしか往来しないような道を「この道であってる…のか?」と思いながら歩くこと30分…
「玉列神社」と書かれた縦看板現る!
あと一息だ!
少し雲が陰ってるので伝わりにくいですが、気温は35度ぐらいという暑さ。
水をがぶ飲みしながら歩いています(笑)
やっと着いたー!\(^o^)/
玉列神社の右にあるのは慈恩寺です。
(うっかり立ち寄るのを忘れてたのを、今この写真を見て思い出しました笑)
と、ここで久々の神社紹介。
『玉列神社(たまつらじんじゃ)』
所在地 奈良県桜井市慈恩寺383
御祭神 玉列王子神(たまつらおおじのかみ)
配神 天照大御神(あまてらすおおみかみ)
春日大御神(かすがのおおみかみ)
社格 村社
例祭日 10月12日
鳥居 住吉鳥居
社殿様式 春日造
【由緒】
御祭神玉列王子神は御本社三輪の大物主大神の御子神で、延喜式(延長5年 西紀927)の神名帳にも見える初瀬谷における最古の神社であります
昔から玉椿大明神として地元氏子区民は勿論、遠く京阪神、東海地方に至るまで厚い信仰を集め特に金色のお砂は招福のしるしとして尊ばれております
(御朱印はこちら↓)
木々がお宮を大事に包み込んで守るような形で、当時の社殿の面影がそのまま残されていました。
由緒で「初瀬谷における最古の神社」とあるように、この玉列神社のある辺りは昔、「隠国の初瀬(こもりくのはせ)」と呼ばれていたんだそうです。
隠国とは平野部から見て奥まった地域をいうようで、地図でこの場所を見てみると確かに三方を山に囲まれていることがわかります。
山に抱かれたような拝殿が、どこか特別な雰囲気を醸し出しています。
こういう”観光地化”していない昔の風景を保っている神社がやっぱり好きだし、落ち着くなぁ…
玉列神社は別称、玉椿大明神と呼ばれています。
その名の通り、境内には椿がたくさん植えられていて、3月中旬頃から見頃になるようです。(見たかったなぁ)
「椿まつり」というのも執り行われてるようです。
元は隣の慈恩寺の氏神様であった玉列神社ですが、明治10年に大神神社の摂社に定められました。
周りは静かで、時折、小鳥の囀りが響き渡ります。
本当に心地よい…
石階段を上がった先の拝殿の奥に更に階段があって、その上に本殿があります。
こじんまりとはしてるけど、どっしりとした風格のある本殿。
周囲の石垣や灯籠がその雰囲気を盛り上げている感じ。
太鼓があるので、祭祀はここで行うんでしょうね。
拝殿の右下には、右から金山彦社、猿田彦神社、愛宕神社があります。
天津神と国津神のブレンド。
バラエティ豊かな神社だなぁという印象です。
日本神話から紐解けば、天孫降臨で高天原から神様が降りてきて地上の神様(大物主=大国主)と融合するので、このような祀られ方に全然違和感はありません。
素盞嗚神社の遥拝所があります。
素戔嗚命は、大神神社の主祭神の大物主命(大国主命)の5代上(古事記)、または父親(日本書紀)で血縁関係にあたります。
玉列神社の御祭神の玉列王子神は、大物主大神の御子神です。
日本書紀で言えば、素盞嗚命は玉列王子神の祖父にあたるので、玉列神社と素盞嗚神社、そして大神神社は深い関係となります。
拝殿から振り返ると、こんな感じ。
真っ直ぐのびた参道が美しい。
福岡の宮地嶽神社のように夕日が真っ直ぐ入ったりするのかな?と一瞬思ったんですが、この方角は真南でしたわ。
「誕生石(たんじょうさん)」は、玉列王子命に因んで”子宝石”として信仰を集めています。
”玉列王子命に因んで”というのは、玉列王子命が大物主命の御子神だからということでしょう。
奉納演芸場は準備中。
例大祭でカラオケ大会とかの舞台になるのでしょうか?(=´∀`)
このぐらいの規模の神社になると、だいたい祓戸神社があります。
お祀りされてる神様の名前は書かれていませんが、大祓詞にある瀬織津姫(せおりつひめ)、速秋津姫(はやあきつひめ)、息吹戸主(いぶきどぬし)、速佐須良姫(はやさすらいひめ)の四柱の神様です。
いつかの記事で祓戸の神様について書いたな…(捜索)
あ、其の壱の冒頭で書いてました。↓
神社では毎年、6月30日の夏越の大祓(茅の輪くぐりのやつ)と12月31日の大晦日は一般の参拝者も参列して大祓式をやりますが(小さな神社はやらないかな?)、その際に、まず境内の祓戸神社でお祓いをします。
穢れを落とし、その後、神殿に入る(または参拝する)という流れ。
大祓式を大晦日の12月31日にやるのは穢れを祓って新年を迎えようってことでわかるけど、なぜ6月30日にもやるのか?
これは「単純に一年の半分だから」という理由ではなく、太古の昔は、一年が6ヶ月の暦だったことに由来します。
つまり、旧暦で1月1日から始まり6月30日までが一年。
次の年は7月1日から12月31日まで。
今の倍速で”一年”が過ぎていたというわけです。
これは、古事記や日本書紀に出てくる日蝕などのサイクルを研究した方や歴史学者の根気強い解読によってわかったことです。(研究者や歴史学者ってすごいなー!)
どうやらこれらの本が編纂された8世紀までは、少なくとも一年の周期は6ヶ月とされていたらしい。
”年の瀬”となる6月30日も、お祓いをして清い体と心で7月1日から始まる新年を迎えよう、という昔の風習が現在の「夏越しの大祓」として今も残ってるんですね。
古事記や日本書紀ってしっかり読んだことがない方が多いと思いますが、個人的には一読を凄く凄くおすすめします!
もちろん、現代語訳を(笑)
古事記は日本神話に重きを置いてるような構成で、712年に太安万侶が編纂し元明天皇に献上されました。
その8年後に日本書紀が出来上がっています。
日本書紀は漢文で書かれており、「国外向けに書かれた国史」という説が有力となっています。
そのせいか、日本書紀は神代はサラッとしていて神武天皇からを分厚く書いてるという印象を受けます。
また、真面目だな〜と思うのが、日本書紀は「一書曰(ある文曰く)」という段落が多用されています。
「これについてはこんな説もあるよ」「別の文献ではこう言われてるよ」なんていう様々な”説”がきちんと漏れなく書かれてあるんです。
普通は都合の良い部分だけを掻い摘んで本にしそうなものですが、当時の日本人の真面目さが伝わってきますね。
古事記は、現存する日本最古の歴史書。
日本書紀は、公的に使われていた歴史書。
この2冊をおさえて、日本の成り立ちと歴史を考えるということが、今の日本に必要なことかなとも感じています。
戦後以来、学校の歴史教育では省かれている部分でもあります。
古事記はまだ読みやすいと思いますが、日本書紀は長いのもそうだし登場人物が多過ぎて覚えきれないしちょっと苦労するかもしれません(笑)
人名を全て覚える必要はないと思います。
なんとなくの流れを掴んでるだけでも、日本の歴史に触れる時、また神社へ赴いた時など、「あ、そういえばあんなことが書いてあったよな〜」と妄想にふりかけをかけて美味しくいただくための味付けになるので、ぜひ挑戦してほしいです٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
活字が苦手っていう方は漫画でもいいと思います!
玉列神社でやっと摂社・末社の半分を攻略。
この後は大神神社を挟んで反対側の摂社・末社を攻めます!
人気ブログランキング
ポチポチしていただけると喜びます
この記事へのコメントはありません。